医療機関からの良くある相談の一つに医療費の未収の問題があります。特に、入院患者を受け入れている病院の場合には、医療費が多額になり、退院時に支払いができず、そのまま未収になってしまうようです。
退院時に支払いができないことが判明した場合に、まず医療機関が行うべきことは「念書」や「誓約書」の作成です。たとえば、以下のような書面に、患者さんの署名をもらいましょう。また、その場にご親族が付き添っている場合には、その方の保証の署名をもらうとよいです。
○○○ 病院 御中
念 書
私は貴病院に対し、令和×年×月×日から同年△月△日までの医療費として、○○○円の支払い義務があることを認め、これを令和○年○月○日までに支払います。
令和△年△月△日
住所:・・・・・・・・・・・・
氏名:・・・・・・・・・・・・印
連帯保証人
住所:・・・・・・・・・・・・
氏名:・・・・・・・・・・・・印
次に、重要なのは督促です。退院後に支払いが約束通りになされない場合には、定期的に書面で督促をしましょう。未収者のリストを作成し、たとえば1か月おきなど定期的に郵便で督促状を送るのです。
それでも、未収が回収されない場合には、電話や訪問による督促という方法もあります。とはいえ、電話はともかく訪問による督促は、手間がかかりますし、未払者本人と対峙することになるので多少のリスクもあります。
そこで、そのような時には債権回収を弁護士に依頼するのが効果的です。医療機関の名前で督促状を送っても反応がなかったのに、弁護士名で督促をしたところすぐに支払いがなされるケースもあります。また、すぐに支払いがなされなくても、患者さんや家族との間で分割払いの約束が成立し、回収ができることもあります。先日も、死亡退院された患者さんの医療費200万円ほどが未収になっていましたが、当事務所の弁護士名で相続人に督促をしたところ、全額の支払いが受けられたケースがありました。
未収問題にお困りの医療機関は、ぜひ当事務所にご相談ください。