未払診療報酬でお悩みの方へ

1 はじめに

診療報酬の未払・不払に悩んでいる病院・クリニックは非常に多いと思います。日本全国の病院・クリニックの未払診療報酬の合計額は300億円とも400億円とも言われており、未払診療報酬の問題が病院・クリニックの経営を揺るがしかねない状況です。

しかしながら、実際に未払診療報酬の問題に積極的に取り組んでいる病院・クリニックはまだ少なく、未払・不払をそのまま放置したり、電話・手紙による督促はしても、訪問による督促はしなかったりという場合が多いようです。法的手続に至っては、全体の1割の病院・クリニックしか行っていないとのデータもあります。

このように未払・不払問題が深刻化する原因は、①未払診療費の単価が少額であり、かけるコストの割に回収が進まないこと、②病院・クリニックに未収を回収するための知識が不足していること、③回収業務にあたる職員がいないこと、あるいはそのような職員を雇用するコストをかけられないこと、④回収業務を病院・クリニックが自ら行うことのイメージダウンなどが考えられます。 

 

2 時効の問題

ところで、診療報酬は3年という短い期間で時効にかかります。3年間請求もせず入金もなければ、権利が消滅してしまうのです(なお、民法の改正で、今後時効の期間が5年あるいは10年間に延長されることになっていますが、いずれにしても時効にかかります。)。

3年というと長く感じるかもしれませんが、未払診療報酬の案件が増えてくると、一つの未払・不払案件に割く時間がその分減ってきますので、思いのほか、3年はすぐに経過してしまいます。もうすぐ3年になってしまうからといって慌てて請求書を発送した場合(督促)、一回目に限り6ヶ月間だけ時効の期間が延長される制度があるので、最大3年6ヶ月は時効にかかりませんが、この期間延長の制度は一回しか使えないことになっており、繰り返し請求書を発送しても無意味です(この点は勘違いをされている方が多いので注意が必要です。)。3年6ヶ月が到来する前に、調停や訴訟(少額訴訟も含む。)といった裁判所を利用した手続を利用しないと時効になってしまうのです。

このように、放置されている未払診療報酬は、時の経過とともに、知らぬ間に時効にかかってしまっているのです。

したがって、未払診療報酬の問題こそなるべく早い時期に専門家である弁護士にご相談することをお勧めします。

 

3 弁護士への依頼について

未払診療報酬の問題に積極的に取り組んでいる病院・クリニックはまだまだ少ない一方で、一部の医療機関ではこの問題を一括して弁護士に依頼する取り組みを行っております。つまり、未払診療報酬の回収業務を弁護士に一括してアウトソーシングしているのです。

未払診療報酬を弁護士に依頼するメリットの例を挙げると以下のとおりです。

  1. 弁護士が病院・クリニックの代理人という立場で督促を行うことによって、病院・クリニックの回収にかける「本気度」を示すことができ、回収率がアップする。
  2. 弁護士は、支払督促・訴訟(少額訴訟)・強制執行といった裁判所を利用した手続に長けているので、法的手続による強制的回収も行ってもらえる。
  3. モンスターペイシェントなど、「払えるのに払わない」悪質な未払者に対しても、弁護士からの督促というプレッシャーをかけることができ、回収率がアップする。
  4. 病院・クリニックに未払診療報酬の回収を担当する職員を置く必要がなくなり、その結果、本来の診療業務に力を注ぐことができる。
  5. 病院・クリニック自体ではなく、弁護士が窓口になって回収することによって、病院・クリニックのイメージダウンを避けることができる。

このように弁護士に未払診療報酬の問題を依頼することによって、最初に述べた、「未払・不払問題が深刻化する原因」を一気に解決することができるのです。

 

4 当事務所の取り組みと顧問契約

当事務所は債権回収に力を入れており、未払診療報酬の問題にも積極的に取り組んでおります。

当事務所が行っている未払診療報酬の回収方法は、まずは弁護士名の手紙による督促から開始し、その後必要に応じて電話での督促を行います。さらに、未払・不払の金額が多額の場合には、支払督促・訴訟(少額訴訟も含む。)を提起いたします。そして、未払者に財産があることが判明している場合には、強制執行による強制的な回収も行います。

弁護士費用については、ご依頼いただく未払診療報酬の数や金額・性質によって異なってきますが、ご依頼総額が大きい場合などには、着手金を無料とする完全成功報酬制によってお引き受けすることも可能です。

また、継続的に未払診療報酬が発生するような病院・クリニックにおいては、当事務所の顧問契約をご利用いただくことをお勧めします。顧問契約は毎月一定額の顧問料をお支払いいただくことによって、継続的に発生する未払診療報酬の請求業務を一括してご依頼いただくことができますので、結果的にコストダウンにつながります(詳細はお問い合わせください。)。

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