「相続相談 弁護士 東京」「遺産分割協議」「遺言書作成」「相続税」「遺留分」などでお探しの方へ。
相続は、家族の事情・遺産の内容・相続発生までの経緯・遺言の有無など多くの要素が絡み合うため、紛争の内容が多様で、解決は一筋縄ではいきません。
本ページでは、相続案件解決の基本的な流れ、遺産分割がまとまらない場合の対応、遺言書作成の要点、相続放棄や遺留分に関する留意点を整理します。2025年9月時点の一般的な情報に基づく解説であり、最終的な判断は個別事情に応じて十分な検討が必要です。
相続問題の全体像と弁護士に相談すべきタイミング
相続手続きの主な流れは、(1)相続の開始(ご逝去)(2)相続人と相続財産の調査(3)遺言の有無の調査・内容確認 (4)生前贈与(特別受益)、寄与分の調査・検討(5)遺産分割協議(6)協議結果に基づき名義変更や各種手続、という流れになります。
また、遺言や生前贈与が遺留分を侵害している場合には、遺留分侵害額請求の問題になります。
相続問題に関し弁護士への相談をすべきタイミングは、次のような場合です。
- 相続財産が多岐にわたり、調査に困難が生じている
- 不動産や株式など評価や分け方が難しい財産が多い
- 相続人間で分割方法に対立があり、話し合いが難航・長期化している
- 特定の相続人による預金の引出しや財産処分の有無を確認したい
- 借金・連帯保証の可能性があり、相続放棄や限定承認を検討したい
- 遺言書が発見されたが、遺言の有効性に疑義がある
- 遺言や生前贈与によって、自己の遺留分を侵害されている
- 他の相続人から遺留分侵害の主張がなされた
- 生前贈与や特別受益・寄与分の評価を巡って意見が割れている
遺産分割で揉めている方へ
遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員による協議が必須です。相続人の一人でも合意しない場合には、協議は成立しません。合意に至らない場合は、まず家庭裁判所での調停を申し立てて話し合いを行い、それでも話し合いが成立しない場合には家庭裁判所の審判手続へと進みます。
遺産分割でよく争いになる事項と解決法
遺産分割において主に争点となる事項と解決法は、以下のとおりです。
- 相続人の範囲に争いがある:「戸籍には載っていないが被相続人の実の子である」「戸籍には養子として載っているが、養子縁組は無効である」との主張があり、相続人であるかどうか事態に争いがある。
→死後認知請求の訴え、縁組無効確認訴訟によって解決する。 - 遺産の範囲に争いがある:名義預金・名義株など、被相続人名義ではないが遺産に含まれるか争いがある。
→遺産確認訴訟によって解決する。 - 遺産の評価に争いがある:不動産や株式など、遺産の評価に争いがある。
→不動産について不動産鑑定士の鑑定書、株式については公認会計士や税理士の査定書などで評価をする。 - 特別受益:住宅取得資金の贈与や事業資金の贈与、あるいは不動産の無償使用など、相続人に対して生前贈与があるかどうか。
→贈与等の事実があることが確定できる場合は、「生計の資本としての贈与」に該当するかどうかで判断する(不動産の贈与や多額の金銭贈与は、特別受益に該当することが多い。) - 寄与分:療養看護・事業への貢献・財産管理などが寄与分にあたるかどうか。
→それらの行為が被相続人の財産を増加させたか、減少を防いだかで判断する(単に、他の相続人より貢献したというだけでは足りない。) - 使い込み:他の相続人が被相続人の預金などを使い込んだかどうか。
→使い込んだ相続人に対する不当利息返還請求訴訟で解決する。(遺産分割調停の中で精算的に解決される場合もある。) - 未成年の相続人がいる:相続人が未成年でその親も相続人になっていて、利益相反があって遺産分割協議ができない。
→家庭裁判所に対して、未成年の子の特別代理人の選任を申し立て、特別代理人との間で遺産分割協議を行う。 - 相続手続きからの離脱:相続人の中に相続手続から早期に抜けたいと言っている者がいる。
→他の相続人が当該相続人から相続分の譲渡(相続人としての地位)を譲り受けることにより、当該相続人を相続人から外すことによって解決できる。
相続放棄・限定承認を考えている方へ
債務が多い可能性がある、あるいは財産の内容が不明な場合、相続放棄や限定承認を検討します。相続放棄をするためには原則として「相続開始を知った時から3か月以内」(熟慮期間)に相続放棄の申述を家庭裁判所にする必要があります。
「相続開始を知った時から」などで、「被相続人が死亡した時」とは時期がずれることもあります。遺産が多く調査に時間がかかる、隠れた債務がある可能性があるといった事情がある場合には、家庭裁判所に申し立てをして申述期間の伸長が認められる場合もあります。
- 相続放棄:初めから相続人でなかったものとみなされる制度です。相続放棄をすることによって、被相続人の債務も免れますが、遺産を受け取ることもできません。
- 限定承認:相続財産の範囲内で債務を弁済する制度です。原則として相続人全員での申述が必要で、手続や公示の段取りが求められます。
相続放棄・限定承認の留意点
- 3か月の申述期間を過ぎると相続放棄はできなくなります(法定承認)
- 放棄するという文書を作成しただけでは足りず、必ず家庭裁判所に放棄の申述をする必要があります。
- 遺産を処分したり、私的に利用したり、した場合には、放棄ができなくなる場合があります。
- 3か月の申述期間が経過後に多額の債務が発見された場合、例外的に申述期間経過後の放棄が認められる場合があります。
- 限定承認の手続は複雑で時間がかかるので、実務ではほとんど利用されません。放棄するかどうかに迷うときは、申述期間の延長をして十分に調査をした上で、放棄するかどうかを判断するのが一般的です。
遺留分侵害額請求をお考えの方へ
遺留分は、配偶者や子など一定の相続人に認められる最低限の取り分です。遺贈や生前贈与などにより遺留分が侵害された場合、金銭による支払いを求める権利(遺留分侵害額請求)を行使できます。
権利行使には期間制限があり、遺留分侵害を知った時から1年、相続開始時から10年の期間が経過すると請求できなくなる仕組みがあります。生前贈与の扱いには期間や例外のルールがあるため、個別の事情に応じた検討が不可欠です。
実務では、まず権利行使の期間制限にかからないように、遺留分の侵害に気が付いた時から1年以内に内容証明郵便による意思表示で遺留分侵害額請求をします。いったん、侵害額請求をすれば、5年間の時効にかからない限り権利行使は可能になります。
遺留分侵害額請求の留意点
- 兄弟姉妹には遺留分はありません。遺留分があるのは、配偶者、子(代襲相続人含む)、直系尊属(父母など)だけです。
- 遺留分侵害の事実があったとしても、侵害額請求がなされるまで金銭を支払う必要はありません。侵害額の請求があって初めて支払い義務が生じます。
- 民法の改正により遺留分を現物で返還するように請求することはできなくなりました。ただし、協議によって現物で返還してもらうこと自体は可能です。
- 遺留分を計算する際の基礎財産は、「相続開始時の財産」+「 一定期間内の生前贈与」−「 債務」の計算式によって計算します。生前贈与については相続人への贈与 は 10年以内のもの、第三者への贈与は 原則1年以内(特別事情あれば拡張)のものがこの計算に入ります。
- 生前に「遺留分を請求しない」と約束していても、遺留分侵害額請求は可能です。遺留分を放棄するためには、家庭裁判所に遺留分放棄の申し立てをしてその許可を得ている必要があります。
遺言書の作成・執行でお悩みの方へ
遺言は「相続人間の争いを予防し、意思を実現する」ための重要な手段です。主な方式は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などがあります。
遺言の種類とメリット
- 自筆証書遺言:遺言者が内容を自分の手で書き、署名・日付を記して作る遺言です。全文自書が原則ですが、財産目録はパソコン作成も可能とされています。自らが作成できるので、気軽に作成できますが、全文自書が原則であり、また方式にミスがあると無効になるリスクがあります。
法務局の保管制度を利用すると、検認が不要となる制度があります。 - 公正証書遺言:公証役場で作成します。遺言の内容は遺言者の意向に従い、公証人が作成してくれます。遺言者はその内容を確認して、署名押印をして完成です。証人2名が必要ですが、遺言者自らが手配できない場合には、公証役場が手配をしてくれます。方式不備による無効リスクを低減しやすく、原本が保管されます。検認の手続は不要です。
作成時の留意点
- 遺留分への配慮:相続人の最低限の取り分に影響し得るため、事前に検討することが重要。ただし、遺留分侵害を承知の上で遺言を作成することも可能。
- 執行者の指定:手続の迅速化と利害の整理に役立ちます。
- 付言事項:家族へのメッセージや分配意図を補足すると、紛争予防に資することがあります。
- 最新化:相続人の増減、財産構成の変化があれば、見直しや撤回を検討します。
遺言の執行は、相続人間の調整や金融機関・法務局との手続が伴います。状況に応じ、弁護士・公証人・司法書士等と連携しながら進めます。
相続税との関係と専門家連携
相続税の申告・納付期限は一般に10か月です。分割がまとまらない場合でも、期限内の申告・納付が必要となることがあります。配偶者に関する制度や不動産に関する特例など、適用の可否は個別要件に左右されます。税務の詳細は税理士が担当する領域であり、弁護士は分割や紛争対応の観点から税理士と連携して進めます。
また、不動産の名義変更(相続登記)は2024年から義務化され、期限内申請が求められています。登記や測量、評価に関する実務は司法書士や不動産の専門家との協働が一般的です。金融資産の名義変更、未上場株式の評価、事業承継に伴う議決権の取扱いなども含め、関係分野と調和した進め方を設計します。
当事務所での相続相談の流れ(対面・オンライン)
初回の相続相談では、現状とご希望を丁寧に伺い、手続の全体像と選択肢、想定されるリスクと準備資料を共有します。対面(東京都内)またはオンラインをお選びいただけます。実務対応に進む場合は、役割分担(弁護士・税理士・司法書士等)とスケジュール、費用の考え方を事前に書面で確認します。
ご準備いただくと役立つ資料(可能な範囲で)
- 相続人を確認できる戸籍一式、住民票除票・戸籍の附票等
- 遺言書の原本(有無不明の場合はその旨)
- 財産の一覧(預貯金・証券・不動産・保険・負債など)と関連資料
- 過去の生前贈与や借入・保証の有無が分かるもの
- やり取りの記録(メール・メモ・通帳の写し等)
資料が揃っていない段階でも構いません。収集の手順や問い合わせ先の整理からお手伝いします。
ケースに応じた進め方の例(匿名・一般化)
- 遺産分割が長期化:争点を特定(特別受益・寄与分・評価方法)し、優先順位を付けて合意案を複線化。合わなければ調停へ移行し、必要資料の提出計画を作成。
- 借金が多い可能性:熟慮期間内に財産調査の計画を立て、相続放棄・限定承認の判断材料を確保。期限管理と申述書類の準備を並行して進める。
- 事業承継を含む相続:議決権や経営体制への影響を整理し、分割方法と株式の取り扱いを調整。税理士・司法書士と連携し、段階的な実行計画を設計。
- 遺留分への対応:通知・交渉の方針、支払い方法(期日・分割・担保等)の検討。紛争化する場合に備え、主張立証の枠組みを整える。
いずれも一般化した紹介で、同様の結果をお約束する趣旨ではありません。個別の背景や目的に応じて、無理のない選択肢を一緒に検討します。
まずはご相談ください。
安心への第一歩を、弁護士が丁寧にサポートします。
法律の問題は、一人で抱え込むほど解決が難しくなることがあります。
当事務所は、依頼者様のお話を丁寧に伺い、状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。
初回のご相談はお気軽に。秘密厳守・安心のサポート体制でお待ちしております。
よくある質問
可能な範囲で法律相談のみの対応も行います。実務対応に進むかどうかは、方針と費用の見通しをご確認いただいた上でご判断ください。
必須ではありません。利害関係や代理の可否、利益相反の有無を事前に確認し、進め方を調整します。
オンラインや書面のやり取りで可能な範囲に対応します。管轄裁判所が遠方となる場合や現地での手続が必要な場合は、現地の専門家と連携することがあります。
対応範囲、手続の段階(交渉・調停・審判等)、必要資料や期間に応じて個別にお見積りします。見通しが変わる場合は、その都度説明しながら進めます。
内容によっては財産の処分と評価されるおそれがあります。判断に迷う場合は、事前に相談いただくと安全です。
税法の具体的な適用は税理士の領域です。相続税や財産評価が関係する場合は、税理士と連携して進めます。
まとめ
相続は、感情と手続が複雑に交差する分野です。早い段階で全体像と期限、優先順位を整理し、資料を備えることが解決への近道になります。
本ページの内容は一般的なご案内です。相続相談をご希望の方は、現在の状況と解決の方向性に関するご意向をお聞かせください。当事務所では、実現可能な選択肢と進行計画を丁寧にご提案します。