弁護士が相談を受ける案件の中で、「債権回収ができない」という案件は最も多い相談の一つです。企業・個人を問わず、様々な債権の支払いが滞り、その管理に頭を悩ませていることと思います。
当事務所においても、売掛金・貸金・通信料・請負代金・サービス代金・家賃・診療報酬債権などあらゆる債権回収業務に対応しております。
そこで、債権回収を弁護士に依頼するメリットについて、以下に説明いたします。
1 債務者に対して心理的プレッシャーを与えられる。
弁護士が債権回収をする場合、最初は電話や手紙(内容証明郵便など)で督促を始めます。その際弁護士は、依頼者の「代理人」として債務者に対して督促することができるので、債務者に対して大きな心理的プレッシャーを与えることができます。
支払をしない債務者は、多数の債務を滞納しているケースが多いですが、強い督促をしてくる債権者、つまり弁護士を依頼した債権者に対して優先的に支払をする傾向にあるので、弁護士を依頼することによって他の債権者に先んじて債権回収ができるようになります。また、弁護士が督促をする場合、訴訟(支払督促・少額訴訟・通常訴訟)をしなくても債権回収ができる可能性が高くなります。
ところで、内容証明郵便の作成などは、司法書士や行政書士にも作成を依頼することができます。しかし、司法書士は、140万円以下の債権しか扱うことができないと法律で定められています。また行政書士は、「代理人」になることができず、内容証明郵便はあくまでも債権者本人の名義で作成することになるので、債務者に対するプレッシャーが弱くなりがちです。
2 法的手続による強制的回収ができる
弁護士は、電話や内容証明郵便による債権回収以外にも、調停・訴訟(支払督促・少額訴訟・通常訴訟)・強制執行といった裁判所を利用した法的手続による強制的回収について豊富な知識を有しております。
また実際にそのような強制手続を実行しなくても、強制手続を講じる可能性を示しながら、任意交渉によって回収する手続にも長けております。
この点司法書士も裁判所を利用した手続の代理人になることができますが、140万円以下の債権しか扱えませんし、訴訟も簡易裁判所の案件しか扱えません。また強制執行手続の代理をすることはできません。行政書士は、裁判所を利用した手続の代理人には一切なることができません。
3 相手方の法的主張に対応・反論できる。
支払を滞納している債務者は、「理由なく支払わない者」と「理由があって支払わない者」の二種類に分類できます。
厄介なのは「理由があって支払わない者」です。たとえば、商品を購入したが不具合があったから代金を支払いたくない、家を借りたけど最初の説明と違う箇所があるから家賃を支払いたくない、リフォームをしてもらったけど思ったような仕上がりになっていないから支払いたくないなどです。
このような場合、弁護士は債務者の主張が法的に通るか否かを判断するとともに、依頼者に有利な法的構成を検討した上で、債務者と交渉をします。
司法書士・行政書士も法律の専門家ですが、相手方の主張に対して適切な反論を組み立てて交渉をするという業務については、弁護士の方がより経験豊富と言えます。
4 コンプライアンスを遵守した回収ができる。
特に企業が債権回収をする場合、違法なことや社会的に非難を浴びるようなことをすると企業の評価に傷が付くことになります。債務者もその企業の「顧客」であることが多いため、コンプライアンスの遵守や企業イメージの維持は非常に重要です。
弁護士は当然法律で認められた適法な債権回収方法しか採用しませんので、依頼した企業はコンプライアンス違反を恐れる必要はありません。また、企業自身が督促をするわけではなく、あくまでも代理人弁護士が督促をすることになるので、企業イメージを悪化させることもありません。
5 時間的・経済的コストを削減できる。
債権の滞納が多いことは分かっているけど、その回収に労力やお金を掛けられないという企業もあることと思います。また、債権回収業務は、その企業の本来的な業務ではないため、債権回収を担当する社員の士気が上がらないこともあるでしょう。なかには、少額訴訟を社員に担当させている会社もありますが、コストが見合っているか疑問があります。
特に、毎月一定数の債権の滞納が発生する企業(行政機関・医療機関も含め)にとっては、債権回収業務全般を弁護士に依頼することによって、時間的・経済的コストから解放されることになります。また、慣れない少額訴訟の担当をさせられている社員のストレスもなくなることでしょう。弁護士に債権回収業務を一括してアウトソーシングすることによって、その時間的・経済的コストを本業に注ぐこともできるようになります。
なお、当事務所では、毎月一定数の債権の滞納が発生する企業のために、顧問契約を用意しております。月額の顧問料をお支払いいただくことによって、毎月発生する債権の回収業務(電話や手紙での督促)を無料で行うことができるようになり、また少額訴訟などの費用も格安に行うことができるようになります。詳しいことは、別途ご相談ください。